散歩道 Sampo do

散歩がすき。一流の散歩家を目指して修行中。

ライチョウだらけ! 10月の北アルプス表銀座 燕岳~槍ヶ岳

山登りのシーズンは夏、、、以外にもあります。秋は涼しい、というより寒いですが、とってもいい季節でした。雨と霧を除いては。今回は天気が崩れた二日目の山行、燕岳から槍ヶ岳山荘までをまとめてみました。

 

そうそう。ライチョウって可愛いわりに、ギロギロみたいな鳴き方をするんですね。「カエル!?」と思って振り返るとライチョウを発見できました。あと名前の由来も、猛禽類に襲われない荒天の時にだけ、ハイマツから出て姿を現すからなんだとか。こんど誰かにうんちくを垂れたいけど、基本ソロだしなぁ。無理か、、、。

 

初日の中房温泉から燕山荘までの記録は前回の記録に書いています。 

ranaplata.hatenablog.com

 

二日目のタイムはだいたいこんな感じです。 

場所 時間 コースタイム 所要時間
燕山荘 4:44 0 0
大下りの頭 5:25 0h55m 0h41m
大天井ヒュッテ 7:08 3h50m 2h24m
ヒュッテ西岳 9:05 6h30m 4h21m
水俣乗越 10:11 7h30m 5h27m
ヒュッテ大槍 11:54 9h30m 7h10m
槍ヶ岳山荘 12:40 10h10m 7h56m

 

槍の肩から槍ヶ岳山頂の往復は40分くらいでした。他に人がおらずコース独占でしたが、雨が降っていたのでかなりビビりながら登りました。ちょっと怖かった。ちょっとね。ほんのちょっと。

 

ここから山行中の様子を写真付きで紹介していきたいと思います。

 

 

燕山荘からの稜線歩き

4:00に出発!!!したかったものの、もうちょっと寝たいというへなちょこな自分に負けて4:44のスタートに。真っ暗だけど、44分の遅れはデカい。まぁ普段も、前日もコースタイムの8割程度で歩けているので、昼頃には着けるという安心感はあったのです。でもやっぱ、早いに越したことはなかったですね。

 

 

朝ごはんはグラノーラとお菓子で済まして出発。「いざ鎌倉!」ばりの勢いを体につけようにも、弱兵で名高い大阪鎮台のある西国出身者ではそうもいかず、マイペースに歩き出します。(でも同郷の河内国の英雄、楠木正成まで遡ればほら!すごいでしょ。)話がそれました。ちょっと腹減り?という違和感がこの後徐々に効いてきます、、、。

 

真っ暗ななか、いまいちなヘッドランプで歩いているとハイマツが少ないエリアに到達。変な方向に進みそうになった時、ライチョウを発見したことで立ち止まるきっかけになりました。暗いので写真は撮れず。でもほんと1st.ライチョウさん、ありがとう。ランプとかは本当に大事です。

空が白み始めると、安曇野の町がゆっくりと目を覚ますかのように現れます。見えるけれど互いに関わらない距離。向こうからは稜線を歩く弱々しいヘッドランプの明かりが見えるのでしょうか。

 

「もし町で新種のウイルスがばら撒かれて、全世界がウォー〇ング・デッドみたいな世界になったら、自分は最後の生存者か、、、。誰か、ほかにいないのか、、、。」たった一人で歩いているとだいたいこんな事を考えてしまいます。考えてしまいますよね?ね?あるあるですよ。きっと。

 

5:25

たぶん世界の平和も保たれているまま、大下りの頭に到着です。ここから下りますよ。傾斜は急ですが特に危険個所はなし。矢印もついているので道迷いの心配もないと思います。

 

槍ヶ岳は雲に覆われています。この日は一日中こんな感じで、姿を現してくれることはありませんでした。午後には天気もあれ、まさに雲のなかに突っ込んでいくような形になります。

大天井岳を巻いて行く

6:00を過ぎてくると、あたりはしっかりと明るくなってきました。ちょっとお腹も空いてきて、大天井岳に登る元気がなくなってきました。大天井岳を巻いて進みます。霧や朝露で濡れた岩場はやっぱりちょっと滑ります。幅は狭いものの、ゆっくりと慎重に行けば問題ありません。

登山道からは大天井岳の頂上は見えません。登る人も少ないようですね。

 

大天井ヒュッテ

はい。終了しておりました。それは知っていたので問題はありませんが。裏の冬季小屋からアジア系の旅行者が出発するところでした。「この先滑るから気を付けてね」とアドバイスを頂き、彼は燕岳のほうへ去って行きました。

 

左の下り道に行くのが槍ヶ岳へのルートです。大丈夫だと思いますけどお間違いなく。右に行っても展望台を経由してルートに戻れたはずです。

 

ヒュッテ西岳までのみち

 写真はそんなにありませんが、難しい道ではないです。稜線の少し下をトラバースしていく感じで進みます。そしてここで❝ギロギロ ギロギロ❞。❕❔

ライチョウさんではございませんか!!!目の上が赤いのがオスらしいですね。あんまり逃げたりしないもんなんですね。海外でもライチョウは生息しているらしいのですが、そこのは人間を見ると逃げるのだとか。そのような地域ではライチョウを食べるので、人間が天敵扱いされているからとのこと。日本の登山者のマナーの良さのおかげで、ゆっくりと写真を撮ることが出来ました。ありがとう。もう一羽いたので、本日三羽目。

 

写真はありませんが、ヒュッテ西岳も閉まっておりました。ちょうど登山道から直前までみえにくい位置にあるので(霧の所為もあったのかも)突然現れた小屋に飛び跳ねて喜びました。けどお腹空いた。

水俣乗越

10:11 水俣乗越。ここは燕岳~西岳までの続いてきた稜線を抜け、槍ヶ岳の裾に取り付く場所にあります。まさにここから槍ヶ岳!って感じです。グラノーラなんて普段から食べないものを食べなきゃよかった、、、。腹減ったなぁと思いながら、槍の肩へ至る尾根を登ります。朝食は何が良いんでしょうね。カロリーメイトとか一本満足バーみたいな、お腹に溜まる選手と水分でしょうか。形が潰れてもいいから、パンとかでもありなのかなぁ。

なんてぼーっと考えていると虹が!「あの下にお宝が、、、。」なんて言われても、今は行きたくない。しんどい。早く小屋に着きたい。って感じでした。谷には光が差し鋳込みますが、相変わらず槍は姿を隠したままです。シャイなんです。

 

東鎌尾根前半(ヒュッテ大槍まで)

丸太や梯子、階段状の岩登りなどを繰り返します。霧が多かったものの、非常に高度感のある道で「北アルプス!!!」って感じがします。浮石や濡れた足場に注意しながら登れば、決して危険な道ではありません。

 

お腹空きすぎてあんまり写真も撮っていません、、、。いやほんと、栄養って大事ですわ。次に行くときはもっとお腹に溜まる行動食を持っていこうと、PCの前で甘納豆を食べながら考えています。それでは腹に溜まらんか。気温が低いのもあったのかも知れません。下界では薄着の10月ですが、山の上は別世界なので気を付けないといけませんね。

 

東鎌尾根後半(ヒュッテ大槍から槍の肩へ)

11:54 省エネでしばらく歩き、ヒュッテ大槍で休憩。大幅な遅れもなく歩けていることを確認し、5分ほどしっかりと休憩をとります。カルパス美味しいけど、やっぱり炭水化物が欲しいですな。

 

 ご覧の通りガスガスで高度感はゼロ。目印だけを頼りに歩いていきます。晴れていればきっと、少しづつ近づく槍の穂を眺めながら歩けるのでしょうが、まだまだ彼は出てきてくれません。

 

ガレ場が続きます。霧や雨で濡れた石の上ってのは「転ぶぞ、転ぶぞ。ほーら転ぶぞー」って言われているみたいで苦手です。ある意味用心してるって事かも知れませんけど。

残り300!!!こういう数字を突き付けられると、結構しんどく感じてしまうのは私だけでしょうか。なければないで、「あとどんだけ歩かなアカンねん!」って言いそうですけど。

 

とうとうちゃんとした人工物に遭遇!もうちょっとなんですねぇ。晴れていたらと悔しい気もしますが、まぁそこはいいとして。外から見るとすっぽり覆われた雲の中に居ると思うと、なんだか特別な世界にいるような気がします。いや、でもやっぱ晴れがいい。

 

着いたぞ槍ヶ岳山荘!!!

12:40 槍ヶ岳山荘に到着。本日一人目の到着者だとか。雨と疲れからこの日は小屋泊です。最終的に自分を含む6人が宿泊。収容人数650人を誇る北アルプス有数のマンモス山小屋にゆったり泊まれた貴重な経験でした。

へなちょこなので一泊夕食付(9,000円)をお願いしました。天候をみて、槍ヶ岳頂上にアタックしたいと思います。その前にカップヌードルカレー(お湯あり500円)でちょっと休憩。五臓六腑に染みわたりますわ。日清さん、安藤百福さん、あとその他たくさんの方々ありがとう。

 

いざ槍の穂先へ

14:00ころ、冷たいブーツに足を通し出発。人もいないし水分もしっかりととったので、雨具・ヘルメット・カメラでアタック。トレッキングポール派の人もここでは置いていきましょう。邪魔になります。こんな近くからでも、頂上が見えません。

登り始めは雨が止んでいたものの、少しすると降ってきました。もともと霧で濡れてはいましたが、やっぱりちょっと怖いので慎重に。鎖や足場もあり、3点支持が出来ていれば殆ど問題なく登れます。ビビッて腰が引けるのだけはやめましょうね。

最後の梯子!岩登りよりも案外こういう梯子のほうが怖かったりして。世界樹素手でのぼるゴン・〇リークスさんじゃないですが、自然のものには安心感があります。あ、でも梯子なかったらもちろん登れませんよ。僕は。

 

到着だ!15分くらいでしょうか?ちゃんと見ていませんが、往復で40分。頂上ですこし遊んでいたのでそんなくらいだったのではないかと。無事に登らせてくださりありがとうございます。ほんとに。

頂上はうわさに違わぬ狭さ。夏山ピーク時にはここが人で覆いつくされると考えると、荒天時とは違った危険がありそうです。

さぁさぁ帰り道。上から見ると迷わせにかかっているとしか思えない矢印の数。

結局往復40分で下山。あとはゆっくりしながら夕食を待つのみです。楽しみ~

 

夕食、就寝

17:00 食堂に集合し夕食です。ぜったいご飯をお代わりしてやる。

夕食はこんな感じ。あとワサビのふりかけがあったかな?どれもおいしかったです。外国の方が半数以上いる中、みんなでお茶碗とお箸で食べる時間。笑っちゃいそうなくらい平和な穏やかな時間のおかげで、お腹も胸もいっぱいです。いやほんと、英語勉強しないとなー。

 

6人しかいない山小屋は静かです。談話室もごろごろし放題。めちゃくちゃ寒いから、反動でバックドラフトでも見ようかな~なんて考えていても結局見ず。登山情報誌で装備品の進化を眺めて興奮していました。次はどこに上りましょうかね~なんて。

 

あしたは6時くらいには歩き出したいので20時には就寝。男性相部屋に2人しかいないのでのびのび眠れます。はぁーもう下山か。悲しみをスレッ〇ー中尉並みに噛みしめて、今日は眠ります。おやすみなさい。次回、下山編!