散歩道 Sampo do

散歩がすき。一流の散歩家を目指して修行中。

人間関係の問題はすべて自分が引き起こしている

「人間関係がうまくいかない」「あの人は分からず屋で、いつも問題を引き起こしている」と思っている方がいれば言いたい。

それは間違いである。人間関係の問題はすべてあなたが引き起こしている。

 

こんなことを言われて、「救いもないのか!」と言いたい気持ちはわかる。しかしこの本を読めばそれが事実であるし、非常に腑に落ちることがお分かり頂けると思う。

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

アービンジャー インスティチュート著

 

この本の中では「相手が悪い」と思って行動している状態を「箱に入っている」状態としている。「私は仕事で疲れているから、パートナーがこの問題(家事等)を処理すべきだ」と思っている時、あなたは既に箱の中にいる。

 

本を読む喜びを奪わない程度に作中の考え方を紹介する。自分と同じようにこだわりが強かったり、変に頑固な方はハッと気づかされるに違いない。

 

目次

箱とは?

自分を正当化している状態。視界も狭く、実は快適とは言い難い。

箱とは、私は悪くないと思っている状態。本当に悪くないなら、そんなこと思いもしないのに。

 

どうすれば箱に入ってしまうのか

自分に嘘をついたとき、自己防衛のための言い訳という箱に入る。

 

たとえば電車でお年寄りが立って居たとしよう。その時あなたは座っている。そしてスマホを見ている。頭の中では「席を譲ったほうがいいはずだ」と思っている。

 

あなたは何をしている?あなたは座り続けている。

 

そしてこう考えている。「私は疲れているから座れて然るべきだし、他の人は気づいてすらいないじゃないか」と。客観的に見ればずっと立って居るお年寄りと座っている人たちしか存在しない。

 

人はストレスに弱い。問題を認識しながら放置するのは、結構労力がいるのだ。だから言い訳をする。言い訳はストレスを消すのではなく、見えないようにするだけだ。いったん隠したストレスはあなたをどんどん言い訳せざるを得ない状況に追い込む。

 

部屋のどこにゴミを置こうとも、部屋全体は臭いのだ。

 

 箱が引き起こす問題とは

自分を正当化している時は解決すべき本当の問題を見れない。(お互いにね)

  

家に帰ると汚れたままの皿がシンクに山積みだ。「私は疲れているから、この仕事をするのは妻(夫)の仕事だ!」と思っている時、相手のことや解決すべき問題を冷静に見れているだろうか?たぶん無理だ。

 

皿がたまっているという問題が発生するに至るということは、パートナーにもそれをする時間がなかったはずだ。しかし「(洗おうと思えば洗えるが…)私は疲れている云々」となると、関心の矛先は本質である汚れた皿からは遠ざかっていく。そして自分を正当化する為、相手を非難する。

 

冷静になれば「ふたりとも時間がないなら、食洗器を買うのも選択肢の一つか?」とパートナーと共に解決すべき問題に取り組めるだろう。両方が自分を正当化しようと相手を非難する場合、結果は悲惨である。

 

自分に言い訳をすると他人を批判することに終始し、本当の問題に目を向けられなくなる。

 

箱から出るには

それは、ぜひ本を手に取って呼んでみてほしい。

 

今言えるのは感受性が豊かで、細かいことに気が付く人ほど箱に入ってしまう可能性が高いと思う。そういった人は、言葉の裏側や現象の本質などをついつい考えてしまって、ぐるぐると苦しんでしまうのだ。

 

そしてだいたい、やろうと思えば簡単にできる課題に対して言い訳する傾向にあると思う。宇宙に行けない言い訳でモヤモヤする人はほとんど居ない様に、遠すぎる目標で悩む人はいない。

 

感情をひとまず横に置くことができれば、私たちはみんな❝結構できる人❞なのだ。

 

電車の例でも、すんなりと席を譲るアクションをしたほうが気分は軽やかなはずだ。それを相手が申し出を断わっても、受け入れてくれたとしても。

 

結果はどうあれ「あなたの為に何かをしたいと言ってくれる人」は困っている人にとってヒーローなのだ。

 

そしてできれば、そのヒーロー的行動をとった自分を認めてほしい。

 

まとめ

自分への言い訳に気づけるのは自分だけである。なんだかモヤモヤする時は、たいてい言い訳をしている。

 

大学生くらいのころ、ビビットなカラーの表紙とシンプルなイラストに惹かれ読んでみた本。10年ほど経った今でも、まだまだ箱を抱えて生きる未熟者。